vol.67 出世魚のはなし 

  12月から2月は寒ブリの旬
 各地でブリの豊漁が続き、東京築地市場でも卸価格が
 前年比2割安という嬉しいニュースが届きました。
 他の魚の消費量は2割以上落ちているというのに、ブリは
 1割も伸びていると報じられています。
 ブリは脂肪分が多く、刺し身や塩焼きなどの従来の食べ方に加えて
 ブリ大根やブリしゃぶなど若い人にも好まれる食べ方が広がって
 きたせいでしょう。

  それに養殖技術が進み、はまち(ブリの子)は、脂がのっていて
 天然ものより養殖もののほうがおいしいという若い人は多いのです。
 養殖の漁獲量は15万トン、天然魚は5万トンと、養殖の方が3倍にも
 なっているのです。
 もっとも天然の氷見のブリなどは、一切れ千円もしますから、食べた
 ことがない人が多いのもうなずけます。その上、柔らかく脂っぽい
 ものが好きな現代人の味覚には合っているからでしょう。
  しかし、身の締まった天然物のブリの味は食通の人の舌をしびれさ
 せます。
 取れたては、プリプリした歯応えをたのしませ、2日ほどたって
 熟成したものは、旨味や甘みがまし、身も柔らかめになってとろける
 ような旨さがでます。
 どちらも優劣つけがたく、この辺はその方のお好みによると思います。

  年も明けたばかりで、縁起の良いブリをとり上げましたが、それは
 ブリが出世魚ということによるからです。
 ブリが出世魚だという事は、どなたもご存知かと思いますが、ブリ
 の他にも出世魚はいます。ボラ、スズキ、ヒラマサなどがあげられます。
 しかし、ブリはやっぱり出世魚の代表ですから、ブリのお話しをする
 ことにしましょう。

  出世魚とは、稚魚から成魚になるまでに、成長に応じて名前の変る
 魚のことをいいます。
  ブリは魚ヘンに師をつけて鰤と書きます。
 師がつくとは、大魚である、エライことを表しているのです。
 ブリは、春から夏に沿岸域に沿って北上し、初冬から春になると、
 沖合いを南下します。
 体も大きく、肉食系のブリは、獰猛なのかと思いますが、
 意外に臆病で、驚くと群れごと深みに逃げ込んでしまうような
 可愛げなところもある魚です。
 
  ブリは関東では、ワカシ、イナダ、ワラサ、メジロ、ブリ
      関西では、ワカシ、ツバス、ハマチ、メジロ、ブリ
      北陸では、ツバス、コズクラ、ハマチ、フクラギ、ブリ
 というように、地方によって呼び名が変ります。
 では、何故成長すると呼び名を変えためでのでしょう?
 
  江戸時代までは、武士や学者などは、元服の時や、出世に伴って
 名前を変える習慣があったのです。
 これにならって、ブリは縁起の良い魚として扱われ、おめでたい席や
 門出を祝う席などの料理に好んで使われるようになりました。
 
  よく知られているのは、豊臣秀吉の例でしょう。
 幼名は日吉丸といわれていますが、貧しい農民の子に「○○丸」という
 武士ヤ貴族のような立派な名前がついていたかどうかは、疑わしいと
 いわれていますが・・・
  信長の家臣として初めて出てくる名が木下藤吉郎 (秀吉)
 それから、羽柴、平、藤原、豊臣と昇りつめたのです。

 現代人は昔の人のように、偉くなるごとに名前を変えることはできませんが、
 せめて、ブリにあやかって成長したいものですね。
 



 


 

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